Q. 税金を支払いたくないので、なるべく節税をしたいです。節税のアドバイスはしてもらえますか?
- 2 日前
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更新日:1 日前
「今年は利益が出そうだから、できるだけ節税したい」
会社を経営していれば、そう考えることがありますよね。
もちろん、合法的で合理的な節税は検討して構いません。
ただし、節税を考えるときに最も大切なのは、税金をいくら減らせるかではなく、最終的に会社にいくらお金を残せるかです。
ここを間違えると、節税したつもりなのに、税金以上に会社のお金を減らしてしまうことがあります。

経営者からの質問
税金をできるだけ払いたくありません。利益が出そうなので、何か経費を使ったり、節税になる制度を利用したりした方がいいでしょうか?なるべく税金を少なくする方法を教えてください。
AI税理士の回答
はい。節税について考えることはできます。
ただ、最初に一つ大切なことがあります。
「税金を減らすこと」と「会社にお金を残すこと」は同じではありません。
節税そのものを目的にしてしまうと、会社の資金繰りをかえって悪くしてしまうことがあるからです。
「良い節税」と「悪い節税」があります
節税を考えるとき、私はまず、
「税金が減らなくても、その支出をしますか?」
と考えることをおすすめします。
たとえば、
もともと必要だった設備や備品を買う
売上を増やすために必要な広告を出す
必要な人材を採用したり、仕事を外注したりする
役員報酬を適切に設計する
社宅制度などを要件に沿って利用する
利用できる共済や税制上の制度を検討する
本来経費になるものを漏れなく処理する
といったものです。
税金が減るかどうかとは別に、会社や経営者にとって意味のある支出や制度ですよね。
こうしたものは「良い節税」になりやすいと考えられます。
一方で、
税金を減らすためだけに不要なものを買う
欲しかった車を「節税だから」と買う
事業と関係のない飲食代を経費にする
家族旅行を実態なく出張扱いする
実態のない給与や外注費を計上する
売上を意図的に計上しない
といったものは別です。
前半は節税というより、単なる浪費になる可能性があります。
後半は節税ではなく、不適切な経理処理や脱税になり得ます。
「お金を使えば税金が減るから得」という考え方には注意が必要です。
30万円の税金を嫌って、100万円使いますか?
数字で考えてみましょう。
説明を分かりやすくするため、100万円の利益に対して30万円の税負担が発生すると仮定します。
何もしなければ、
100万円 − 30万円 = 70万円
です。
税金は30万円払いますが、単純化すれば70万円が残ります。
ところが、
「30万円も税金を払いたくない」
という理由だけで、100万円の不要な経費を使ったらどうでしょう。
利益は減ります。税金も減ります。
でも、100万円の現金も会社から出ていきます。
つまり、
30万円の税金を減らすために、100万円を使っている
ということです。
もちろん、その100万円が本当に必要な設備投資や広告費なら話は別です。
でも、必要のない支出なら、税金を減らすために会社のお金を減らしただけですよね。
大切なのは「税金を払ったあとに何が残るか」
会社経営では、
税金が少ない会社=良い会社
とは限りません。
赤字なら法人税の負担は小さくなるかもしれませんが、それだけで経営状態が良いとは言えません。
反対に、継続的に利益を出し、その一部を会社に積み上げていけば、結果として税金を払うことも多くなります。
それでも、
預金が増える
純資産が厚くなる
不況への耐久力がつく
次の投資に使えるお金ができる
借入への依存を抑えられる
のであれば、会社の体力は少しずつ強くなっていきます。
見るべきなのは納税額だけではありません。
税金を払ったあとに、会社にどれだけのお金が残るのか。
ここまで考えることが大切です。
節税する前に確認したい4つのこと
1.今年はいくら利益が出そうですか?
まず必要なのは、利益の予測です。
利益がほとんど出ていないのに、一生懸命節税策を探しても意味がありません。
赤字なのであれば、節税よりも売上や利益を改善することの方が優先です。
熱がないのに解熱剤を探しているようなものですね。
2.税金を払ったあと、いくら現金が残りますか?
税金の金額だけを見るのではなく、納税後の預金残高まで確認しましょう。
税金が300万円でも、その後に十分な運転資金が残るのであれば、必ずしも悪い状態ではありません。
反対に、節税して税金がほとんどなくても、会社の預金までなくなっていたら安心できません。
3.借入金はいくら返済しますか?
借入金がある会社では、特に注意が必要です。
借入金の元本返済は経費ではありません。
そのため、利益が出て税金を支払ったうえで、さらに借入金を返済しなければならないことがあります。
「借入金の返済があるから節税しよう」と考えすぎて必要な現金まで使ってしまうと、かえって資金繰りを苦しくすることがあります。
4.税金が減らなくても、その支出をしますか?
最後にもう一度、この質問です。
「税金が1円も減らなくても、それを買いますか?」
「はい」であれば、会社にとって必要な支出なのでしょう。
「税金が減るから買うだけです」であれば、一度考え直した方がいいかもしれません。
節税で100万円使ったからといって、100万円の税金が戻ってくるわけではありません。
節税を考える順番があります
私は、節税そのものを否定しているわけではありません。
使える制度をきちんと利用し、本来経費になるものを漏れなく処理することは大切です。
ただし、順番があります。
利益を予測する
↓
納税額を予測する
↓
会社に残るお金を確認する
↓
必要な支出や利用できる制度を検討する
↓
税金を払ったあとにもお金が残る状態にする
この順番です。
「税金を払いたくない」からスタートして、必要のないものを買うのではありません。
節税は大切ですが、会社経営の主役ではないのです。
現役税理士からの補足
実務では、「税金を払うくらいなら何か買った方がマシ」と考える方も少なくありません。気持ちはよく分かりますが、税金を減らすことと会社にお金を残すことは別です。
また、利益が出ていても、借入金の返済や売掛金の増加などによって、同じだけ現金が増えているとは限りません。
大切なのは、利益と納税額を早めに把握し、納税資金を準備しておくことです。
なお、利益は出ているのに現金が足りない場合には、節税とは別に「資金繰り」という視点が必要になります。資金繰りについては、別の記事で詳しく取り上げたいと思います。
経営者に気付いてほしいこと
節税を考えること自体は悪いことではありません。
でも、経営者が見るべきなのは、
「税金をいくら減らせたか」ではなく、「税金を払ったあとに会社へいくら残ったか」
です。
節税によって10万円税金が減っても、不要な支出で30万円の現金が減ったのなら、会社の体力は弱くなっています。
節税を考えるときには、ぜひ二つの質問を思い出してください。
税金が減らなくても、そのお金を使いますか?
そして、
その節税をしたあと、会社にはいくらお金が残りますか?
節税の目的は、税金をゼロにすることではありません。
会社を弱くせず、必要以上の税負担を避けながら、将来のためのお金を残すこと。
その視点を持って節税を考えてみてください。
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