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Q. 税金を支払いたくないので、なるべく節税をしたいです。節税のアドバイスはしてもらえますか?

  • 2 日前
  • 読了時間: 6分

更新日:1 日前


「今年は利益が出そうだから、できるだけ節税したい」


会社を経営していれば、そう考えることがありますよね。


もちろん、合法的で合理的な節税は検討して構いません。


ただし、節税を考えるときに最も大切なのは、税金をいくら減らせるかではなく、最終的に会社にいくらお金を残せるかです。


ここを間違えると、節税したつもりなのに、税金以上に会社のお金を減らしてしまうことがあります。






経営者からの質問

税金をできるだけ払いたくありません。利益が出そうなので、何か経費を使ったり、節税になる制度を利用したりした方がいいでしょうか?なるべく税金を少なくする方法を教えてください。


AI税理士の回答


はい。節税について考えることはできます。


ただ、最初に一つ大切なことがあります。


「税金を減らすこと」と「会社にお金を残すこと」は同じではありません。


節税そのものを目的にしてしまうと、会社の資金繰りをかえって悪くしてしまうことがあるからです。



「良い節税」と「悪い節税」があります


節税を考えるとき、私はまず、


「税金が減らなくても、その支出をしますか?」


と考えることをおすすめします。


たとえば、

  • もともと必要だった設備や備品を買う

  • 売上を増やすために必要な広告を出す

  • 必要な人材を採用したり、仕事を外注したりする

  • 役員報酬を適切に設計する

  • 社宅制度などを要件に沿って利用する

  • 利用できる共済や税制上の制度を検討する

  • 本来経費になるものを漏れなく処理する

といったものです。


税金が減るかどうかとは別に、会社や経営者にとって意味のある支出や制度ですよね。

こうしたものは「良い節税」になりやすいと考えられます。


一方で、

  • 税金を減らすためだけに不要なものを買う

  • 欲しかった車を「節税だから」と買う

  • 事業と関係のない飲食代を経費にする

  • 家族旅行を実態なく出張扱いする

  • 実態のない給与や外注費を計上する

  • 売上を意図的に計上しない

といったものは別です。


前半は節税というより、単なる浪費になる可能性があります。

後半は節税ではなく、不適切な経理処理や脱税になり得ます。


「お金を使えば税金が減るから得」という考え方には注意が必要です。



30万円の税金を嫌って、100万円使いますか?


数字で考えてみましょう。


説明を分かりやすくするため、100万円の利益に対して30万円の税負担が発生すると仮定します。


何もしなければ、

100万円 − 30万円 = 70万円

です。


税金は30万円払いますが、単純化すれば70万円が残ります。


ところが、

「30万円も税金を払いたくない」

という理由だけで、100万円の不要な経費を使ったらどうでしょう。


利益は減ります。税金も減ります。


でも、100万円の現金も会社から出ていきます。


つまり、

30万円の税金を減らすために、100万円を使っている

ということです。


もちろん、その100万円が本当に必要な設備投資や広告費なら話は別です。

でも、必要のない支出なら、税金を減らすために会社のお金を減らしただけですよね。



大切なのは「税金を払ったあとに何が残るか」


会社経営では、

税金が少ない会社=良い会社

とは限りません。


赤字なら法人税の負担は小さくなるかもしれませんが、それだけで経営状態が良いとは言えません。


反対に、継続的に利益を出し、その一部を会社に積み上げていけば、結果として税金を払うことも多くなります。


それでも、

  • 預金が増える

  • 純資産が厚くなる

  • 不況への耐久力がつく

  • 次の投資に使えるお金ができる

  • 借入への依存を抑えられる

のであれば、会社の体力は少しずつ強くなっていきます。


見るべきなのは納税額だけではありません。


税金を払ったあとに、会社にどれだけのお金が残るのか。


ここまで考えることが大切です。



節税する前に確認したい4つのこと


1.今年はいくら利益が出そうですか?


まず必要なのは、利益の予測です。

利益がほとんど出ていないのに、一生懸命節税策を探しても意味がありません。

赤字なのであれば、節税よりも売上や利益を改善することの方が優先です。

熱がないのに解熱剤を探しているようなものですね。


2.税金を払ったあと、いくら現金が残りますか?


税金の金額だけを見るのではなく、納税後の預金残高まで確認しましょう。

税金が300万円でも、その後に十分な運転資金が残るのであれば、必ずしも悪い状態ではありません。


反対に、節税して税金がほとんどなくても、会社の預金までなくなっていたら安心できません。


3.借入金はいくら返済しますか?


借入金がある会社では、特に注意が必要です。

借入金の元本返済は経費ではありません。


そのため、利益が出て税金を支払ったうえで、さらに借入金を返済しなければならないことがあります。


「借入金の返済があるから節税しよう」と考えすぎて必要な現金まで使ってしまうと、かえって資金繰りを苦しくすることがあります。


4.税金が減らなくても、その支出をしますか?


最後にもう一度、この質問です。


「税金が1円も減らなくても、それを買いますか?」


「はい」であれば、会社にとって必要な支出なのでしょう。


「税金が減るから買うだけです」であれば、一度考え直した方がいいかもしれません。


節税で100万円使ったからといって、100万円の税金が戻ってくるわけではありません。


節税を考える順番があります


私は、節税そのものを否定しているわけではありません。

使える制度をきちんと利用し、本来経費になるものを漏れなく処理することは大切です。


ただし、順番があります。


利益を予測する

納税額を予測する

会社に残るお金を確認する

必要な支出や利用できる制度を検討する

税金を払ったあとにもお金が残る状態にする


この順番です。


「税金を払いたくない」からスタートして、必要のないものを買うのではありません。

節税は大切ですが、会社経営の主役ではないのです。


現役税理士からの補足


実務では、「税金を払うくらいなら何か買った方がマシ」と考える方も少なくありません。気持ちはよく分かりますが、税金を減らすことと会社にお金を残すことは別です。


また、利益が出ていても、借入金の返済や売掛金の増加などによって、同じだけ現金が増えているとは限りません。


大切なのは、利益と納税額を早めに把握し、納税資金を準備しておくことです。


なお、利益は出ているのに現金が足りない場合には、節税とは別に「資金繰り」という視点が必要になります。資金繰りについては、別の記事で詳しく取り上げたいと思います。



経営者に気付いてほしいこと


節税を考えること自体は悪いことではありません。


でも、経営者が見るべきなのは、

「税金をいくら減らせたか」ではなく、「税金を払ったあとに会社へいくら残ったか」

です。


節税によって10万円税金が減っても、不要な支出で30万円の現金が減ったのなら、会社の体力は弱くなっています。


節税を考えるときには、ぜひ二つの質問を思い出してください。


税金が減らなくても、そのお金を使いますか?

そして、

その節税をしたあと、会社にはいくらお金が残りますか?


節税の目的は、税金をゼロにすることではありません。


会社を弱くせず、必要以上の税負担を避けながら、将来のためのお金を残すこと。

その視点を持って節税を考えてみてください。


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