Q. 何でも税理士へ提出すればよい?経費になるか迷ったときの考え方
- 2 日前
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更新日:1 日前
経費になるかどうか、正直よく分からないですよね。
起業したばかりの方ほど、
「とりあえず領収書を全部集めて税理士に渡せばいいのでは?」
と思いがちです。
でも、ここは少し整理して考えた方がよいです。

経営者からの質問
どこまで経費になるのか、正直よく分かりません。 知り合いの社長からは、 「とりあえず領収書を集めればいい」 「ダメなら税理士が外してくれる」 「判断は税理士に任せている」 という話を聞きます。 だったら、何でも税理士さんへ提出すればよいのでしょうか?
AI税理士の回答
結論から言うと、 「税理士に見せること」と「経費にすること」は別です。
迷うものを税理士に相談するのは、よいことです。 でも、「何でも経費にしてくれ」という丸投げはおすすめできません。
なぜなら、その支出が仕事のためだったのか、プライベートだったのかを一番よく知っているのは、税理士ではなく経営者本人だからです。
領収書があれば経費になるわけではありません
まず覚えておいてほしいのは、
領収書は経費になることを保証する紙ではないということです。
領収書で分かるのは、基本的には「いつ」「どこで」「いくら払ったか」です。
でも税務上、本当に大事なのは、
「その支払いが事業のために必要だったかどうか」です。
たとえば、
取引先との打ち合わせの飲食代
仕事で使うパソコン
業務用の文房具
仕事に必要な書籍
業務のための交通費
このあたりは、事業との関係を説明しやすいですよね。
一方で、
家族との外食
完全にプライベートな旅行
趣味の買い物
仕事と関係ない私物
こうしたものは、領収書があっても経費になりません。
つまり、 「領収書があるか」より、「事業との関係を説明できるか」が大事です。
税理士は、領収書を見ただけでは判断できないことがあります
「経費になるかどうかは税理士に任せています」
これは半分正しくて、半分危ない言い方です。
税理士は税務判断の専門家です。 でも、領収書だけ見ても分からないことはかなりあります。
たとえば飲食店の領収書が1枚あっても、
誰と行ったのか
何の目的だったのか
仕事の打ち合わせだったのか
家族との食事だったのか
こうしたことは、領収書だけでは分かりません。
税理士は超能力者ではありません(笑)。
ですから、迷う支出ほど、「領収書+説明」で渡す必要があります。
迷う支出は「領収書+説明」で出しましょう
税理士に出すなら、単に領収書をまとめて渡すのではなく、内容が分かるようにしておくのが大事です。
たとえば、
飲食代
誰と行ったか
何のためだったか
何人だったか
交通費
行き先
訪問先
目的
書籍・セミナー代
どんな業務に必要だったのか
何を学ぶためだったのか
家事と仕事が混ざる支出
どこまでが事業用か
その割合をどう考えたか
ここまであると、税理士もかなり判断しやすくなります。
逆に、説明が何もない領収書だけを大量に渡されると、「これは仕事の資料ですか、それとも思い出アルバムですか?」となりやすいです。
「とりあえず全部出して、ダメなら外してもらう」は危ない
この考え方も、実務ではよく出てきます。
たしかに、迷うものを相談のために出すのは悪くありません。
でも、
プライベートなものまで全部混ぜて、経費になるものを税理士に探してもらう
という発想になると危ないです。
なぜなら、税理士ができるのは、
「この事実関係なら税務上こう考えます」という判断だからです。
税理士は、事実を作ることはできません。
仕事だったことにしたり、私用の支出を事業用に変えたりすることはできないんですね。
法人は、社長個人のお金と会社のお金をより厳密に分ける必要があります
個人事業でも線引きは大事ですが、法人はさらに注意が必要です。
社長個人が負担すべき支出を会社のお金で払うと、「単に経費になりません」で終わらず、社長に対する給与や経済的利益の問題になることがあります。
そうなると、法人税だけではなく、社長個人側の課税の話まで広がることがあります。
ですから、法人では特に、
「会社のお金だから何に使ってもいい」は絶対にNGです。
経費になるか迷ったときの基本的な見方
迷ったときは、まず次の3つを考えてみてください。
1 何の仕事のために使ったのか
売上、営業、管理、採用、勉強、移動など、事業との関係を説明できるか。
2 プライベートが混ざっていないか
完全に私用ではないか。仕事と私生活の両方で使うなら、事業用部分を説明できるか。
3 後から説明できるか
半年後、1年後に見返しても、「これは何の支出だったか」を言えるか。
説明できない支出は、経費ではなく“希望”になりやすいです。
現役税理士からの補足
私は経費に迷っている経営者には、まずこう聞いています。
「もし同じ支出を、自分ではなく社員が立て替えてきたら、
会社として経費精算してあげますか?」
たとえば社員から領収書を出されたときに、
「いや、それは自分で払ってくださいよ」
と思うようなものなら、
社長自身の支出だからといって会社の経費にするのは、
まず一度立ち止まった方がよいと思っています。
私は少なくとも、
このハードルを越えられないものは持ってこないでください
とお伝えしています。
ただし、ここは勘違いしてほしくないところです。
社員目線で経費精算してあげる支出だからといって、
税務上必ず経費になるとは限りません。
これは税法上の最終判定基準ではなく、
あくまで経営者自身が私的な支出を振り分けるための一次フィルターです。
それでも、起業したばかりの方や零細企業の経営者にとっては、かなり有効な考え方だと思います。
経営者に気付いてほしいこと
経費について考えるとき、
「これは経費になりますか?」ばかりで考えると、
どうしても「税金を減らせるか」という発想に寄りがちです。
でも本来は、
「そのお金は、事業に必要だったのか」
を先に考えるべきです。
必要だから使う。
そのうえで、税務上どう扱うのかを考える。
この順番が大切です。
経費になるから、お金を使うのではありません。
経費にすれば、使ったお金が戻ってくるわけでもありません。
そして、経費かどうか分からないものを、すべて自分だけで判断する必要もありません。
迷ったものは、
「これはこういう目的で使いました。経費になりますか?」
と税理士に相談してください。
そのときの役割分担は、
経営者が「何のために使ったのか」を説明する。
税理士が「税務上どう扱うのか」を判断する。
そして、自分で一次判断するときは、
「もし社員が同じ領収書を持ってきたら、会社として払ってあげるだろうか?」
と考えてみてください。
それすら迷うようなら、一度立ち止まった方がよいでしょう。
税理士に提出することと、経費に計上することは別です。
領収書をたくさん集めることよりも、
会社のお金を、何のために使ったのか説明できる状態にしておくこと。
私は、そちらの方が経営者にとってずっと大切だと思います。
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