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Q. 本当にほかの会社は、領収書をきれいに整理しているのでしょうか?

  • 2 日前
  • 読了時間: 9分

領収書を税理士に丸投げするのはよくない。


そう言われても、

「本当にほかの会社は、そんなにきれいに整理しているの?」

と思いますよね。


結論から言えば、すべての会社がきれいに整理しているわけではありません。


ただし、きちんと経理ができている会社には共通点があります。


領収書を美しく並べていることではありません。


何で支払ったのか、何のために使ったのかが、後から分かる状態になっています。




経営者からの質問


領収書などを税理士へ丸投げするのがダメなのは分かりました。 でも、正直に聞きたいです。 本当にほかの会社は、領収書や請求書などの証憑書類をきれいに整理したり、メモを残したりしているのでしょうか? みんなそんなにちゃんとやっているんですか?


AI税理士の回答


いい質問です。


結論から言うと、全員がきれいにやっているわけではありません。


領収書が封筒にまとめて入っていたり、カード明細と領収書がうまく対応していなかったり、しばらく経ってから財布の奥からレシートが出てきたり。


小さな会社や個人事業では、そういうこともあります。


ですから、

「うちだけ整理できていないのでは……」

と必要以上に心配する必要はありません。


ただし、

「みんな完璧ではない」ことと、「何もしなくていい」ことは別です。


きちんと経理ができている会社には、それなりのルールがあります。



大事なのは「きれい」ではなく「分かる」


税理士が求めているのは、美しくファイリングされた領収書ではありません。


重要なのは、

この領収書は何の支払いなのか。


そして、

何で支払ったのか。(決済手段)


この2つが分かることです。


特に今の経理では、後者の「何で支払ったのか」がとても重要です。



月別より、まず決済手段ごとに分けてほしい



領収書整理というと、

「1月、2月、3月と月別に分ければいいですよね?」

と思うかもしれません。


もちろん、月ごとに分けることにも意味はあります。


ただ、現在は会計ソフトを使って処理する会社がほとんどです。


領収書の日付そのものは必要ですが、会計ソフトに入力された後であれば、取引を日付順に並べることは簡単です。


それより税理士へ資料を渡すときに重要なのが、


決済手段ごとに領収書を分けておくことです。



たとえば、


  • 現金で支払った領収書

  • QRコード決済で支払った領収書

  • 会社のクレジットカード①で支払った領収書

  • 会社のクレジットカード②で支払った領収書

  • 個人のクレジットカードで立て替えた事業用の領収書

  • 社長や社員が立て替えた領収書


というように分けます。


可能なら、その中でさらに月別に分ければ十分です。


つまり、

「決済手段別」→「必要なら月別」

という順番です。



なぜ決済手段がそんなに重要なのか


理由は、二重計上を防ぐためです。


たとえば、会社のクレジットカードで5,500円の備品を購入したとします。


カード明細が会計ソフトへ取り込まれていれば、その5,500円はすでに帳簿へ入っているかもしれません。


ところが、その領収書が現金払いの領収書と一緒になっていたらどうでしょう。


領収書を見ただけでは、現金で支払ったのか、カードで支払ったのか分からないことがあります。


そこで税理士は、

「この5,500円はカード明細に入っているだろうか」

「どのカードだろう」

「QRコード決済ではないか」

「個人カードの立替ではないか」

と確認することになります。


1枚なら大したことはありません。

でも、これが50枚、100枚となると話は変わります。


大量の領収書と、複数のカード明細、銀行明細、QRコード決済の履歴を一つずつ突き合わせる必要が出てきます。

これは、かなり時間のかかる作業です。



「領収書を集めたから、あとはよろしく」が一番大変



経営者からすると、

「ちゃんと領収書は全部取ってあります」

という感覚かもしれません。


もちろん、領収書を保存していること自体は大切です。


ただ、

現金もカードもQRコード決済も個人立替も全部一緒にして、「集めたから、あとはよろしく」では、税理士側の確認作業は膨大になります。



困るのは、領収書が少し曲がっていることではありません。


日付順になっていないことでもありません。


決済経路が分からないことです。


ここは、ぜひ知っておいてほしいところです。



支払い方法そのものも増やしすぎない


さらに言えば、きちんと経理ができている会社ほど、支払い方法そのものも比較的シンプルです。


たとえば、

「会社の経費は原則としてこのカード」

「現金払いはできるだけ減らす」

「QRコード決済を使うなら、この会社用アカウント」

「個人カードで立て替えた場合は、ほかの領収書と分ける」

というように、ルールがあります。


反対に、

現金、会社カード①、会社カード②、個人カード、家族カード、PayPay、楽天ペイ、立替払い……。


支払い方法が増えれば増えるほど、照合作業も増えます。


支払い手段のオールスターゲームにしてしまうと、経理はどんどん大変になります(笑)




明らかな私用の支出は、最初から会社に入れない


そして、ここはとても大切です。

私用の支出は、最初から会社の経費に混ぜない。


「なるべく混ぜない」ではありません。

明らかな私用であれば、最初から入れないくらいの気持ちでいた方がいいと思います。


なぜなら、

「これくらいならいいかな」

が始まると、少しずつ境界線が曖昧になりやすいからです。


「少し仕事でも使ったから」

「もしかしたら経費になるかもしれないから」

「とりあえず税理士に渡して、ダメなら外してもらえばいい」

こういう支出が少しずつ増えていく。


すると、そのうち何を会社で負担してよくて、何が個人負担なのか、自分でも分からなくなってきます。


これは経理のテクニックというより、経営者としてのお金に対する姿勢の問題です。


会社のお金と自分のお金は、最初から分けて考える。



きちんと経理ができている会社ほど、この線引きははっきりしています。


もちろん、個人のクレジットカードで本当に事業用のものを立て替えることはあります。


自宅兼事務所のように、事業用と私用が混在して按分が必要な支出もあります。


それは別の話です。


「事業用の支出を個人が立て替えた」のか、「個人的な支出を会社の経費にしようとしている」のか。


この2つは、きちんと分けて考えましょう。



メモは全部の領収書に必要ではない


一方で、すべての領収書に細かいメモを書く必要はありません。


見れば内容が分かるものまで長々と説明を書く必要はありません。


問題なのは、領収書だけを見ても事業との関係が分からないものです。


たとえば、

  • 飲食代

  • 贈答品

  • 出張や旅行にも見える交通費・宿泊費

  • 家族も関係していそうな支出

  • 趣味にも仕事にも使えそうなもの

  • 高額な備品

  • 店名だけでは何を買ったのか分からないもの


こうした支出です。


飲食代なら、

「A社○○社長と商談」

と一言残しておくだけでも違います。


交通費なら、

「○○展示会参加」

と残しておけば、半年後に見ても分かります。


メモの目的は、作文を書くことではありません。


後から見た人が判断できるようにすることです。


そして、その「後から見た人」には半年後の自分自身も含まれます。


人間は思っている以上に忘れます。

「これは絶対覚えている」

と思ったものほど、半年後には見事に忘れています(笑)



「ほかの会社もやっていない」は判断基準にならない


ここは少し厳しく言います。


「ほかの会社もそんなにちゃんとしていませんよね?」

という話と、


「だから自分の会社も適当でいい」

という話は別です。


経営は多数決ではありません。


周りの経営者から、

「領収書なんて全部税理士に渡せばいいよ」

「経費かどうかは税理士が考えることでしょ」

と言われることがあるかもしれません。


でも、その人があなたの会社の帳簿を作るわけではありません。

税務調査で代わりに説明してくれるわけでもありません。


最終的に困るのは、自分の会社です。


ですから、

ほかの会社がどうしているかではなく、自分の会社として説明できる状態になっているか。

こちらを判断基準にした方がいいでしょう。



小さな会社なら、この5つで十分です


完璧な経理を目指す必要はありません。


まず、次の5つをルールにしてみてください。


1.領収書は決済手段ごとに分ける


現金、

会社カード①、

会社カード②、

QRコード決済、

個人立替などに分けます。


月別整理は、その後で十分です。



2.明らかな私用の支出は会社に入れない


「とりあえず出しておこう」はやめます。

事業との関係があるものだけを会社の資料として扱います。



3.個人カードで立て替えた事業経費は別にする


私用カードで払ったから経費にならない、という意味ではありません。


本当に事業用なら、「個人立替」だと分かるように分けておくことが重要です。



4.分かりにくい支出だけメモする


全部に書く必要はありません。

後から見て説明が必要になりそうなものだけ、一言残します。



5.支払い方法を増やしすぎない


会社のお金の出口をある程度決めておくと、経理はかなり楽になります。

経理を楽にする一番の方法は、

後から頑張って整理することではなく、最初から散らからない仕組みにすることです。



逆に、ここまでやる必要はありません


完璧主義になる必要もありません。

  • 領収書をすべて台紙にきれいに貼る

  • 1ミリ単位で向きをそろえる

  • 完璧な日付順に並べることに時間をかける

  • すべての領収書に長文の説明を書く

  • 税理士へ渡す前に自分で完璧な会計資料を作る


そこに経営者の時間を使いすぎる必要はありません。


税理士が本当に欲しいのは、

きれいな資料ではなく、判断できる資料です。



現役税理士からの補足


実務で特に時間がかかるのは、現金、複数のカード、QRコード決済、個人立替などの領収書が全部一緒になっているケースです。


二重計上を防ぐためには、こちらでカード明細などと一つずつ照合しなければなりません。これは想像されている以上に時間を要しますし、精度も落ちてしまいます。


「領収書は全部集めました。あとはよろしく」ではなく、

何で払ったものかだけでも分けてもらえると、処理の正確性もスピードも大きく変わります。



経営者に気付いてほしいこと


ほかの会社が、みんな完璧に領収書を整理しているわけではありません。


でも、きちんと経理ができている会社は、

会社のお金をどう使い、何で支払ったのかが分かる仕組み

を持っています。


大切なのは、領収書を美しく並べることではありません。

決済手段ごとに分ける。明らかな私用は入れない。分からないものだけメモする。

まずは、この3つです。


特に、


「とりあえず領収書を全部集めて、あとは税理士に任せる」という状態から卒業すること。


これだけでも、会社の経理はかなり変わります。


経理をきちんとするというのは、細かい作業が得意になることではありません。


自分の会社のお金について、自分で最低限のルールを決めることです。


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