AI税理士の経営管理教室 第11回借入金は少ないほどいいの?
はじめに
前回は、
純資産が厚いほど、
返済を必要としない資金で会社を支える割合が大きくなる
という話をしました。
ここまで聞くと、
「では借入金は、少なければ少ないほどいいのでは?」
と思いますよね。


「借金がない会社が、一番強いんじゃないんですか?」

「借入が少ないことには安心感があります。
でも、借入は使い方によって、
会社の時間を買う道具にもなるんです。」
お金が貯まるまで待つか、必要なときに動くか
会社を成長させようとすると、
先にお金が必要になることがよくありますよね。
新しい店を出す。
設備を増やす。
在庫を増やす。
売上が伸びて、
売掛金も増える。
たとえば、
会社に500万円ある。
でも、
新しい設備と運転資金で1,000万円必要。
このとき、
さらに500万円貯まるまで待つこともできます。
一方で、
500万円を借りて、
今必要な1,000万円を用意する方法もあります。
借入を使えば、
自己資金が貯まるまで何年も待たずに、
今ある事業機会へ進めることがあります。
そういう意味で、
借入は、
時間を前倒しする道具
にもなります。
もちろん、借りれば返済が始まる
ここで大切なのは、
「借入は良いものだ」
という話ではありません。
借りれば、
返済が始まります。
借りたお金で利益を生み出せなければ、
将来の資金繰りを苦しくすることもあります。
だから、
見るべきなのは、
「借りられるか」ではなく、
借りたあとも会社が無理なく回るか
です。
ここでも、
第9回の設備投資と同じ考え方が出てきます。
純資産は、借入を使うための土台にもなる
純資産が厚く、
既存の借入への依存が大きすぎず、
利益や資金繰りから返済を続けられる。
こうした財務内容は、
金融機関が融資を検討するときの判断材料になります。
少し不思議ですが、
借入に頼りすぎていない会社ほど、
必要なときに借入を選択肢として使いやすくなります。
純資産と借入は、
どちらか一方を選ぶものではありません。
利益を出す。
利益を会社に残す。
純資産を積み上げる。
その土台があるから、
必要なときに借入も使える。
そして、
借りたお金を使ってさらに利益を生み出し、
また会社に残していく。
売上や利益をブーストさせる手段とでもいえるでしょうか。
こうした循環を考えます。
ここで「BSをコントロールする」という考え方が出てくる
ここまで来ると、
BSは、
出来上がった数字を見るだけの表ではありません。
どれくらい現金を持つのか。
どれくらい純資産を積み上げるのか。
どれくらい借入を使うのか。
借りたお金で何を増やすのか。
返済に無理はないのか。
これから会社のBSをどんな形にしていくのかを考える。
これが、
BSをコントロールする、
ということです。
BSをデザインするという意識もいいですよ。
ちょっとお洒落な感じがしますよね。
BSは、見るものから、作っていくものへ変わります。

今日のポイント
借入金は、
少なければ少ないほど良い、
という単純なものではないということがお分かりいただけたと思います。
借入は、
会社を苦しくするものにもなります。
一方で、
適切に使えば、
会社が次へ進むための時間を買う道具にもなります。
「BSは見るものから、コントロールするものへ」
次回は、節税と会社の強さ
利益が出たとき節税が、
会社にどう影響するのか見ていきたいと思います。



コメント