事業用口座と事業用クレジットカードの準備
- クロ
- 6月19日
- 読了時間: 5分

「事業用口座とクレジットカードを分けて管理するのがオススメ。
今すぐ取り入れたい5つのポイントをわかりやすく解説します。」
はじめに
起業スタートアップの基本準備4つ――
個人事業の開業届提出
青色申告承認申請書の提出
事業専用口座の開設
事業専用クレジットカードの作成
個人事業として事業をスタートするにあたり、税務署に提出する「個人事業の開業届」と「青色申告の承認申請書」の2つの準備については、スッと思い浮かぶ人が多いと思います。
今回、お伝えしたいのは後半の2つの準備についてです。
私自身も開業するときに、事業用の口座とクレジットカードは準備しました。
これはメリットしかないのですが、デメリットをお伝えした方が、より伝わりやすいと思うのでデメリットからお伝えさせていただきますね。
0.事業用とプライベートが混在するデメリット
事業用口座・カードを作らずにプライベートと混在させていると、次のような大きな手間とストレスが発生します。
事業者の方の仕分け作業が膨大になります。どういうことかというと、通帳やクレジット明細をコピーして、「これは事業経費」「これはプライベート費用」と×印を付ける手間が毎月発生します。
公私混同させておいて、経費性の判断を税理士に丸投げする方が一定数いらっしゃいますが、本来ナンセンスです。他人の我々が判断することは不可能です。
「○○さんは丸投げしているみたいだよ」
という話を聞くかもしれませんが、そういうケースでは税理士がテキトウに処理しているだけで、その不利益は納税者が負っているだけです。
間違っても、税理士が判断したんだから合っているだろうなんてことは思わないでいただきたいなと思います。ここの部分の誤解している方が非常に多いので、これから起業される方は注意してください。
税理士に丸投げしない前提で、公私が混在していると事業者にとって非常にストレスの感じる作業が発生します。
最初に挙げた、×印もそうですが、例えばファミレスでの支出です。
クレジットカードの明細をイメージしてみてください。
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カード利用日 加盟店名 利用金額
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202×/05/10 ABCファミリーレストラン ¥2,600
202×/05/20 ABCファミリーレストラン ¥2,300
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両方とも同じ「ABCファミリーレストラン」で金額も近いため、後から「どちらが打ち合わせで、どちらが家族利用だったか」を思い出すのは非常に手間・ストレスがかかります。
このような手間とストレスを避けるために、口座とカードは必ず分けましょう。では、分けることで得られるメリットを見ていきましょう。
1.事業専用口座を持つメリット
(1)税理士とのやりとりが圧倒的にスムーズに
事業用の通帳に口座取引を集約すれば、「この支出は事業経費? 私的支出?」といった確認依頼が激減します。
税理士とのコミュニケーション時間を大幅に節約でき、無駄なヒアリングや調査にかかるコストを削減できます。
(2)キャッシュフローを直感的に把握
試算表や決算書が苦手でも、通帳残高の増減を見れば事業の「今」がわかります。
個人事業ではあっても、給料のように毎月一定額(手取額)をプライベートに移動して、資金の公私にしっかりと線引きをします。
これにより、自分の自由になるお金がまず明確になります。そのお金を移動させた後の事業の通帳の残高の推移を毎月確認することで、事業としてのお金の増減を把握することができます。
ここでのポイントは、プライベートの通帳に移動させる残高は一定にすることです。そうすることで事業の状況が分かりやすくなります。
私がよく確認しているのが、前年の同じ時期(対前年比)で預金残高がどうなっているのかということです。増えていれば、順調なのかなと思いますし、減少していれば売上を考えるか経費の削減を考えないとなと意思決定を調整しています。
いかがでしょう。
通帳一つで事業の状況を感じることが出来るのでオススメです。
2.事業専用クレジットカードを作成するメリット
(1)支出の用途や金額が一目瞭然に
私は日々の支払は公私の区分を付けたうえで、クレジットカードで行ってもらうようにアドバイスしています。
クレジットカードさえ見れば、ざっくりとどのくらいの金額の経費を使ったか瞬時に分かります。
そして、何に使ったかも時系列に並んでいますし、とても分かりやすいです。無駄遣いが多かったかどうかなど含めて、経費の見直しにとても有意義です。
私も明細を見ては、「ん??何にこんなに使った??」とドキッとすることがよくあります。
(2)経費精算の手間を大幅ダウン
経費の精算をしなくて済むというのは大きなメリットです。
社員がいる場合でも、事業用カードなら申請された明細がすべて事業経費前提で処理できるため、精算フローがシンプルになります。個人事業主でも、後から帳簿付けがラクになるのは同じです。
3.口座&カード分離の運用ポイント
口座の使い分け
毎月末に「給料」のように一定額(例:30万円)をプライベート口座へ振替
事業用口座の残高が「利益+税金準備資金」に
カードの使い分け
事業関連は必ず事業用カードで
家計用はプライベートカードで
定期的な残高チェック
月次で通帳+カード明細を確認し、前年同月と比較
残高が前年同月より減っている場合は、早めに原因を探る
こんな感じで運用してもらえたらなと思います。
まとめ
開業届・青色申告申請と合わせて、同タイミングで事業用口座とクレジットカードを用意することで、
税理士とのコミュニケーション負荷が下がり
資金繰りが直感的に把握でき
納税資金の不足リスクを防げる
といった大きなメリットがあります。
私もこの方法で資金管理をシンプルにして、経営状況の確認に使っています。
ぜひ、開業準備に「口座とカードの分離」を取り入れていただけたらなと思います。
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