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キャッシュと利益の違いについて

  • クロ
  • 7月17日
  • 読了時間: 3分

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はじめに


キャッシュ・現金預金と利益について、その違いを正しく理解している経営者は多くありません。僕が利益の話をしているのに、お金の話にすり替わってしまう経営者がとても多いです。


そして、この堂々巡りから抜け出せる経営者と毎回同じ話をしている経営者に分かれていきます。当然、前者の会社の方が意思決定がスマートですし、後者の会社はいつまでも経営が苦しいということになります。



お金と利益の違い


仮に、銀行口座に入ってきたものがすべて売上(収益)で、銀行口座から出ていったものがすべて費用であれば、決算上に示される利益と銀口座の預金残高の増加額は一致します。


この場合は、利益の話しをお金の話にすり替えても問題ありません。感覚で判断できてとても楽チンです。


でも実際は大きく異なります。


現実には、銀行口座に入ってくるもののうち、一部が売上で売り上げ以外に起因する入金もあるので、預金の増額が売り上げということにはなりません。わかりやすい具体例は、借入金です。借入をすれば預金残高は増えますよね。銀行口座の預入の行の数字がすべて売上でないことが分かります。


借入をすると赤字なのに預金残高が増えているなんてことが起こるのはこのためです。

本来、赤字であるのであれば感覚的には預金残高は減っていないといけないのですが、そうはなっていません。


次に銀行口座から出て行くお金についてですが、これも全てが費用ということにはなりません。先ほどの反対で、借入金の返済、これは銀行口座からお金が出て行っていますが、経費ではありません。預金口座の引出の行の数字がすべて経費でないことが分かります。


他にも、商品や材料の仕入れについても同じことが言えます。これらを在庫として持っている限りはそれは費用としてカウントされません。あくまで会社の資産(経費ではない)です。在庫を抱えると資金繰りが悪化するカラクリはここにあります。この在庫として保持しているものも経費としてカウントしてくれるのであれば、利益が減るので、お金の減少と一致して経営者のお金が無いという感覚と一致してスッキリします。


同様に、建物や機械、車などの固定資産についても大きな預金残高の減少をもたらします。一方で、これらは一回ですべてを経費にすることができないため、手持ち資金は思いっきり減少するにも関わらず、利益の圧縮には思うほどつながらず、経営者の感覚とズレたかたちで利益が表面化されます。


このように考えてみると、特に支出の部門において、支出≠経費となるケースが圧倒的に多いです。


そうすると決算書上利益は出ているが、お金はない(預金残高がない)と言う状況に陥りやすくなります。


事業を経営していく中で、いかにお金が溜まりにくいかと言うことがわかると思います。


このような中で節税と言う名のもとに経費をつくってしまうと、さらに資金繰りが厳しいことになります。


事業資金が充分なほど溜まるまでは、資金繰りのコントロールということもとても重要な仕事の1つとなります。


損益が計算されると、納税額も算定されます。ここまで申し上げている通り、利益は預金残高の増額と一致しません。儲かっていれば、勝手に預金残高が増えていくというものではありません。したがって利益の現状を把握するとともに、手元資金の残高や増減額についてもアンテナを貼る必要が出てくるのです。


このコントロールができないと、黒字倒産だったり、納税資金が確保できないといった問題に直面することになります。


これから事業をスタートされる方については、このキャッシュの増減と利益の関係について、必ずしも一致しないということを理解して事業をスタートしていただければと思います。




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