Q. 税理士を探すのは起業後でよいのでしょうか?
- 14 時間前
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会社を辞めて起業するとなると、決めることが一気に増えます。
開業届、法人設立、銀行口座、会計ソフト、インボイス……。
その中で、
「税理士はいつ探せばいいの?」
と迷う方もいると思います。
起業後から探しても間に合いますが、
できることならば、
個人事業で始めるケースでも、法人を設立するケースでも、
本格的に起業するのであれば、起業前に一度は税理士へ相談しておくことをおすすめします。

経営者からの質問
会社を辞めて、起業する予定です。 税理士を探すのは、起業後でよいでしょうか? それとも、起業前に相談しておいた方がよいでしょうか?
AI税理士の回答
結論から言うと、起業前に一度は相談しておいた方がよいです。
ただし、
「起業するなら、今すぐ税理士と顧問契約をしましょう」
という意味ではありません。
事業内容や規模によっては、最初は1回だけのスポット相談で十分な場合もあります。
大事なのは、税理士と契約することではありません。
後から変えにくいことを決める前に、一度確認しておくことです。
起業前相談の価値は「税金を計算してもらうこと」だけではない
個人事業で始めるにしても、法人で始めるにしても、起業前にはいろいろなことを決めます。
たとえば、どちらにも共通するものとして、
いつ事業を始めるのか
インボイス登録をするのか
会計ソフトをどうするのか
事業用口座やクレジットカードをどう分けるのか
どのくらいの運転資金を用意するのか
借入をするなら、いつ申し込むのか
店舗や設備にいくらまで使えるのか
といったことがあります。
個人事業であれば、
青色申告をするのか
家族に給与を支払うのか
開業前に使ったお金をどう整理するのか
といったことも考えます。
法人であれば、
資本金をいくらにするのか
決算月をいつにするのか
役員報酬をいくらにするのか
といった判断も必要になります。
そして、そもそも、
個人事業で始めるのか、最初から法人にするのか
という大きな選択もあります。
こうしたことは、後から変更できるものもあります。
でも、一度決めると簡単には変えられなかったり、変更することで余計な手間や費用がかかったりするものもあります。
だからこそ、決める前に確認する意味があるのです。
家を建てた後に、
「玄関、反対側の方が使いやすかったですね」
と言われても困りますよね(笑)。
税理士への起業前相談も、それに少し似ています。
起業すると、税務上の期限も動き始める
もう一つ知っておいてほしいのが、起業すると税務上の期限も動き始めることです。
たとえば、個人事業で青色申告をしたい場合、原則はその年の3月15日までですが、1月16日以後に新たに事業を始めた場合には、事業開始の日から2か月以内に青色申告承認申請書を提出する必要があります。
法人の場合も、設立後には各種の届出や申請が必要になります。
たとえば、法人設立届出書は原則として設立登記の日から2か月以内。
設立第1期から青色申告をする場合の青色申告承認申請書は、設立の日から3か月を経過する日と、第1期の事業年度終了日のうち、早い日の前日までが提出期限です。
つまり、
「事業も始まったし、そろそろ税理士を探そうかな」
と思った時点で、すでにいくつかの期限が進んでいることがあります。
少なくとも、自分に必要な届出と期限だけは、起業時点で整理しておくことをおすすめします。
特に「決める前」に相談してほしい
税理士へ相談するなら、何でも早く聞けばよいわけではありません。
特に相談してほしいのは、決めた後では変更しにくいことです。
まずは、
「個人事業で始めるのか、法人で始めるのか」
というところです。
税金だけでなく、事業規模、取引先、社会保険、信用面、今後の売上見込みなどによっても考え方は変わります。
個人事業で始める場合でも、
「青色申告は後で考えればいい」
「事業用と個人用のカードは同じでいい」
「家族への給与は必要になってから考えればいい」
と自己判断で進めてしまうと、後から経理や税務処理で困ることがあります。
法人の場合も同じです。
会社を作った後になって、
「資本金はいくらにすればよかったですか?」
「決算月はいつがよかったですか?」
「役員報酬はいくらにすればよかったですか?」
と相談されても、すでに決めた後です。
もちろん変更できるものもありますが、最初から考えて決めた方がよかった、ということはあります。
大切なのは、
「決めてから相談する」のではなく、「決める前に相談する」
ということです。
お金を使う前にも一度考えてほしい
これは個人事業でも法人でも共通です。
起業すると、売上が入る前からお金が出ていきます。
店舗を借りる。
事務所を借りる。
パソコンを買う。
車を買う。
ホームページを作る。
広告を出す。
開業すると決めると、つい気持ちも大きくなって、次々と必要なものに見えてきます。
でも、本当に大切なのは、
それらを買った後に、事業を続けるためのお金が残っているか
です。
設備投資や店舗契約を予定していたり、借入を考えていたりするのであれば、大きなお金を使う前に一度資金計画を確認しておいた方がよいでしょう。
税金の話以前に、会社や事業から現金がなくなれば経営は続きません。
インボイスも「とりあえず登録」はおすすめしない
起業時によく分からないまま判断してほしくないものの一つが、インボイスです。
インボイス登録をすると、取引先との関係だけでなく、消費税の申告・納税にも影響します。
「みんな登録しているらしいから」
だけで決める必要はありません。
逆に、
「売上が少ないから関係ないでしょう」
とも限りません。
取引先が一般消費者なのか、企業なのかによっても考え方は変わります。
分からないまま自己判断で登録するのではなく、自分の事業では登録した方がよいのかを確認してから決めることをおすすめします。
税理士へ相談するなら、いつがよい?
一つの目安は、起業の1〜3か月くらい前です。
ただし、早ければ早いほどよいという意味ではありません。
まだ、
「何をするかも決まっていません」
「売上も費用も全く分かりません」
という段階では、税理士も一般的な話しかできません。
一方で、
どんな仕事をするのか
いつ頃始めるのか
どのくらい売れそうなのか
初期費用はいくらくらいか
毎月の生活費はいくら必要か
個人事業か法人か迷っている
といったことが見えてくれば、かなり具体的に相談できます。
特に、
会社を辞めて本業として起業する
個人か法人か迷っている
最初から法人を設立する
店舗や事務所を借りる
大きな設備投資がある
借入を予定している
家族へ給与を支払う
従業員を雇う
インボイスの判断に迷っている
という方は、起業前に相談する価値が高いと思います。
いきなり顧問契約をする必要はない
ここは誤解しないでください。
起業前に税理士へ相談することと、毎月の顧問契約を結ぶことは別です。
まだ取引も少なく、自分で経理できるのであれば、
まず1回相談して、起業時の設計だけ確認する
という方法でもよいでしょう。
たとえば、
個人事業と法人のどちらが合っているか
起業時に必要な届出は何か
インボイスをどう考えるか
会計ソフトや経理方法をどうするか
お金をどう管理するか
どのくらいの資金を準備しておくか
税理士へ継続的に依頼する必要があるか
といったことをまとめて相談できます。
その結果、
「当面は自分でできますね」
となるかもしれません。
逆に、
「これは最初から継続的に見てもらった方がよさそうですね」
となるかもしれません。
それを判断するための相談でもよいのです。
起業後に税理士を探してもよいケースもある
もちろん、すべての人が起業前から税理士を必要とするわけではありません。
たとえば、
副業として小さく始める
初期投資がほとんどない
借入をしない
従業員を雇わない
取引件数が少ない
自分で会計ソフトを使える
という場合なら、自分で経理をしながら事業を始める方法も十分あります。
税理士を付けないこと自体が問題なのではありません。
問題なのは、
よく分からないまま重要なことまで自己判断で決めてしまうことです。
最低限、必要な届出、帳簿の付け方、お金の管理方法などは確認しておきましょう。
税理士に何でも相談すればよいわけでもない
なお、起業時には税金以外にも、社会保険、雇用、許認可、融資など、さまざまな問題が出てきます。
これらをすべての税理士が専門としているわけではありません。
内容によっては、社会保険労務士、行政書士、司法書士、金融機関などへ相談した方がよいこともあります。
ですから、
「税理士を見つければ、起業準備は全部終わり」
ということでもありません。
税理士は、特に税金・会計・数字の面から起業時の設計を確認する専門家と考えておくとよいでしょう。
現役税理士からの補足
これは、法人を設立する人だけの話ではありません。
個人事業で始める場合でも、法人を設立する場合でも、
「これは、始める前に一度相談してもらえれば違ったのにな……」
と感じる場面には、実際に何度も出会います。
知人や友人から聞いた話、インターネットで見た情報、自分なりの判断だけで進めてしまい、その後で相談に来られるケースです。
個人事業であれば、青色申告、家族への給与、インボイス、経理の始め方などがあります。
法人であれば、資本金、決算月、役員報酬などがあります。
そして、どちらにも共通するのが、事業のお金をどう管理するか、どのくらいの資金を用意するか、大きなお金をいつ使うかという問題です。
もちろん、すべてが取り返しのつかない問題になるわけではありません。
ただ、先に相談していれば選べた方法が、起業後にはもう選びにくくなっていることがあります。
だから私は、起業前の相談費用は、できれば節約しないでほしい費用の一つだと考えています。
数万円の相談料を惜しんで、後からそれ以上の余計な負担や手間が発生してしまっては、本末転倒ですよね。
そして、もう少し厳しいことを言えば、
起業前に必要な専門家への相談費用さえ事業資金として用意できないのであれば、起業計画そのものに黄色信号がともっている可能性があります。
これは、「お金がない人は起業してはいけない」という意味ではありません。
限られた資金の中でも、広告、設備、ホームページ、名刺などにはお金を使う一方で、税務や資金計画の確認については、
「できれば無料で済ませたい」
と考える方は実際にいます。
でも、起業ではお金をかける場所と、削ってよい場所を判断すること自体が経営です。
税理士と最初から顧問契約をする必要はありません。
それでも、個人事業で始める人も、法人を作る人も、後から変えにくいことを決める前の一度の相談は、起業準備に必要なコストとして考えてほしいと思います。
経営者に気付いてほしいこと
税理士を探す目的は、申告書を作ってもらうことだけではありません。
起業するときには、
まだ変更できる段階で、一度、税金・会計・お金の面から確認してもらう
という使い方があります。
起業後でも税理士は探せます。
でも、事業を始めた後、契約をした後、お金を使った後では、選択肢が減っていることがあります。
顧問契約を急ぐ必要はありません。でも、重要なことを決める前の1回の相談には大きな意味があります。
個人事業で始める場合も、法人で始める場合も同じです。
税理士を「確定申告や決算のときに呼ぶ人」だけではなく、起業時の初期設定を確認する人として使う。
そんな考え方を持っておくとよいと思います。

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